ムササビが残していった足跡(トラックス)
2007年 01月 27日
『むっちょ』(2005年5月で紹介)
丸くなって寝ている姿、美味しそうにリンゴを両手で持ち食べている姿…
いつも私達を和ませてくれたムササビが先日亡くなりました。
1週間前にケージ内で倒れているのを発見しました。抱き抱えても抵抗する力も無い。
低体温(34℃)・ケイレン…直ぐに暖房のある部屋に移動し、ペットヒーターを敷いて保温し、注射を打ちました。それから一時的に少しは良くなったものの、徐々に食欲が落ち糞もしなくなりました…そして…。
警戒心の強かったムササビは身体検査をさせてくれなかったので、改めて体を観察しました。
ムササビの前足の小指の骨が長く進化し、ココから飛膜が足まで広がり、木から木へ滑空する事が出来ます。
大きさはこの位。死亡時の体重750g(1週間前は800g)
身体チェック時にお腹を触ると違和感が…『あれっ?こんなに腹部ポヨポヨしていたっけ?』
死亡原因を掴む為、解剖しました。
胃~腸管にガスが貯留していました。しかし、糞塊はありましたが閉塞して感じはありませんでした。
結腸部分が黒色。出血があった模様。
肝臓の一部が黒色。
トータルで診ると『腸炎』が起こっていたのは確かです。
生前は食欲が無かったので糞も殆どしなかったのですが、血便は見られなかったです。
ただ、次同じ症状を起す野生動物がいたら、エコー検査を取り入れようと思います。
この子の『死』を、次の動物の『生』に繋げる
それが私達の役目です。