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野生動物が残していった面白エピソ-ドから、真面目な話まで、様々な足跡を綴りました。      本サイトの掲載写真は許可無く転載、複製等固くお断り致します。すべての写真に著作権を有しています。


by w-a-tracks
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ノスリB~治療~

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獣医師コッシーが飼育をしているノスリBは、重度の腫瘤症(バンブルフット)と翼の損傷があり、現在治療を進めています。
【左肢】保護された時はもう一本指が生えているのか?と錯覚するほどの腫れだったとの事。
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【右足】左肢よりは良いのだが、患部は深い。
ノスリB~治療~_d0035420_2248370.jpg

バンブルフットとは、指の平に出来るタコの様なもので、細菌感染により、ジュクジュクに化膿していきます。重度になると断脚になる事も…。
不衛生な飼育管理(運動不足、体重)により発症します。
ですから、野生下でバンブルフットになる事は珍しく、保護猛禽で見たことはありません。

今回のノスリは訳あって(いつかゆっくり書きます)…保護時には重度のバンブルを呈してしまいました。
一時的に保護していたファルコナーの三枝さんはバンブルは何度も経験&完治しています。
その三枝さんから出た『かなり厳しいと思いますが、お願いします』の一言。
…相当重傷なのでしょう。
更に、翼。
長期間地面に擦れていたのでしょう、丁度左翼の指の部分の骨が欠損して羽は無く、カサブタになっています。コレもまた完治は厳しい。
ノスリB~治療~_d0035420_22484544.jpg

そこで、獣医師コッシーに白羽の矢が立ったのです。
コッシー自体も見た瞬間に『これは…。』と閉口していましたが、無謀なチャレンジかも知れませんが、まずはバンブルの完治を目指す事にしました。

ノスリBを迎え入れた日から、コッシー初めての『ファルコンリー』開始。
まず、マニング(人に慣れさせる)をし、ベイト(逃げようとして飛ぼうとする)による羽の損傷を食い止め、ウェイトコントロールで肢への負担を少なくしています。
更に、ジャンプアップもしています。勿論、この翼ですから長距離は飛べません。それでも、一生懸命羽をバタつかせ立派にジャンプアップします。

獣医としての知識をフル活用、時に文献と睨めっこし、傷の様子に一喜一憂しながら積極的に行っています。
この時期、獣医師としての仕事で多忙(正に寝る暇も食べる暇もない)なのに、毎日残業(ボランティア)しながら…頭が下がります。

勿論、当のノスリBも良く頑張っています!
そんな二人の努力の甲斐があり、最近は少しずつ良くなって来ました!
ノスリB~治療~_d0035420_22514210.jpg


今後も怪我の経過を報告していきたいと思います。
by w-a-tracks | 2007-05-31 23:03 | リハビリ