タヌキweek
2006年 12月 15日
タヌキ♀・♂共に、日を分けて、昼休みに第2回目の手術を行いました。
1頭目のタヌキ♀
骨折オペ後、嫌な予感的中で、足はすっかり化膿し腫れ上がりました。
手術中、骨折した所が化膿していたので、洗浄・消毒をしたのですが、それでもこの腫れ方…。開放骨折の難しい所です。
アニトラチームはあんぐり状態。『断脚しかないか…』と、落ち込んでいた所【化膿のスペシャリスト】Y先生が『私にやらせてみて。』と、助け舟を出して下さいました。
早速、排膿・洗浄・消毒し、ドレーンを入れました。
そして、診察時間の隙を縫って、毎日2回の洗浄・消毒を根気強く行いました。
一時は諦めかけていた足は、少しずつではあるものの、腫れが引き、膿も少なくなっていきました。
そして、とうとう腫れも膿も無くなり、ドレーンを抜く事が出来ました。
『最初はどうなる事かと思ったけど、すっかり良くなったね♪』と、Y先生。
感謝×100です。
断脚する事無くなったお陰で、残った足を杖代わりに歩く事や排便時に気張る事が出来ます。
そして、今週は反対足に入っていたピンを抜く手術をしました。
まだ、麻痺が残っていますが…もう一息です。
タヌキ♂(骨盤骨折・大腿骨脱臼・麻痺)
前回の処置で脱臼の整復が出来なかったのですが、
トグルピンも大腿骨骨折している為に難しいので、大腿骨骨頭を切除する事にしました。
(脱臼を治す手術は難しいので、飛び出している骨頭を切ってしまう事で、痛みを抑え、周りの筋肉で骨を固定する事にしました)
この子も今週、手術をしました。
ただ、反対足が麻痺状態。まだ立ち上がった所を見た事がありません。
経過観察していきます。
タヌキ♂
そして、今日新たなタヌキが交通事故で保護されて来ました。
道の脇の田んぼに居たそうで、前足を使って動くものの、後ろ足が立たないとの事…。
見ると、下半身泥だらけ。
麻酔を掛けて、シャンプーして、レントゲンを撮りました。
下半身麻痺なら脊椎損傷か骨盤か?と思ったのですが、何と骨折は無し!
ただ…麻痺は確かにある。
この子も経過観察ですね。
それにしても、今年はタヌキの保護例が多いです。
どの子も交通事故。そして、野生復帰が困難なケースばかり。
この子達が私に伝えて来る事は…いつも私達の(人間の)被害者であると言う事。
タヌキは、小心者で、驚くと失神してしまいます。いわゆるタヌキ寝入り。
夜間、車のライトに驚き、オタオタしているうちに、逃げる間も無く引かれてしまう…。
せめて、私達に出来る事は、道は人間だけが通る場所ではない事を頭に入れて、運転には注意して、スピードも抑える。
そんな些細な心がけで、1頭でも被害者(タヌキ)を減らせるのなら、明日から実践してみてもいいのではないかな…小さな提案ですが、大きな実績になる事を期待しています。