ツキノワグマ(仔熊) ②
2006年 11月 21日
一時保護のツキノワグマが来て数日後、またツキノワグマ(仔熊)が保護されて来ました。
今回は交通事故。
県道から5m位離れた林の中で、怪我した仔熊がいたとの事で、少し気が立っているツキノワグマ(仔熊)を役所の方が連れて来ました。
(役所) 『恐らく骨折していると思います。一応麻酔下で治療して欲しい。でもリリースは無理だと思うので安楽死になると思う。』
(Ciel) 『?(ハテナ) 』
(役所) 『骨折していたら、リリースは無理でしょう?安楽死しかないですよね??』
(Ciel) 『!(ナルホド) 』
リリースはあまり希望されていない……という感じ。
悲しいかな…確かに、今回各地で熊を捕獲したは良いが、どの市町村も受け入れを渋っている事は聞いています。
『まずは、傷の様子を診ましょう』と、麻酔下でレントゲン・怪我の応急処置を行いました。
骨盤骨折・左後足の大腿骨骨折と脱臼がありました。
傷もかなり深く、泥で汚染されていました。
レントゲンの前で役所の方、先生、私が今後の処置を話し合いました。
(役所) 『こんなに酷いのでは、リリースは難しいですよね。飼育し続ける訳にも行かないだろうし…可哀想だけど…』
(先生) 『骨折や脱臼自体はオペで治りますが、傷の状態がかなり悪いので、消毒等の処置をする度に麻酔を掛けなくてはいけないのがな…』(出来ればオペをしたいが…)
(Ciel) 『骨折が完治するのが早くて1ヶ月として、その間の継続治療も困難だと思います。そして、1ヶ月の間にどれ程成長するか、また1ヶ月以上掛かるかも知れない。その間、飼育管理するケージ(場所)としては、かなり厳しい。それなりの設備のある施設で無いとですが、埼玉県には野生動物保護施設は無いですからね。長期飼育になればなる程、リリースも困難になると思います。』
話し合いの結果、県庁にも了解を得て、残念ですが安楽死を選択する事になりました。
助ける事の出来なかった命。
その命を生かす為に、体重・各部位の測定などのデーターを採りました。
役所の人は『今までウチの地域での熊の生息データーは無いので、一体どうしたのだろう?』
と、首を傾げます。既に一時保護をしている仔熊を連れて来た他の地域の役所の方も同じ事を言っていました。
(Ciel) 『今まで見つからなかっただけで、実は生息していたのではないのでしょうか?例えば、餌が無くて熊が民家の近くまで降りて来た事と同時に、人間が熊の生息地域に次第に入り込んだと言う事が考えられますよね』
(役所) 『でもウチには山は無いし、居るはず無いんだけど…』
(Ciel) 『でも、実際に居た訳ですし、仔熊を連れた親熊の行動範囲が広いとは考えにくいですし…。念の為ですが、もしかすると親熊が仔熊を探して民家の近くに来る可能性もあるので、住民に注意を呼びかけて下さいね。』
(役所) 『でも、探しても親熊はいなかったです。』
(Ciel) 『仔熊が単独で行動するとは考えられないですよ。まだ、2~3年は親と一緒に生活するのですから。ですから、【親は居る】と考えて住民に呼びかけた方が良いですよ。』
すっかりホッとして、危機管理の意識が下がり、役所の仕事(義務)である住民の安全確保を忘れたのでしょうか?。
安楽死にせよ。リリースにせよ。居なくなって一安心では、救護件数を減らす事は出来ません。
私達のバックアップが必要なのです。
恐らく、今後(来年や再来年だって)同じ事は繰り返し起こると考えて良いでしょう。
役所の方には調査や今後の方針を話し合って頂きたい。
役所の方が帰り際に、一時保護中のツキノワグマ(仔熊)を見て一言。
『この仔はどうなるの?可哀想にね~』
繰り返される無責任な質問に…
『県庁に聞いて下さい』と、そっけない回答をしました。
今回は交通事故。
県道から5m位離れた林の中で、怪我した仔熊がいたとの事で、少し気が立っているツキノワグマ(仔熊)を役所の方が連れて来ました。
(役所) 『恐らく骨折していると思います。一応麻酔下で治療して欲しい。でもリリースは無理だと思うので安楽死になると思う。』
(Ciel) 『?(ハテナ) 』
(役所) 『骨折していたら、リリースは無理でしょう?安楽死しかないですよね??』
(Ciel) 『!(ナルホド) 』
リリースはあまり希望されていない……という感じ。
悲しいかな…確かに、今回各地で熊を捕獲したは良いが、どの市町村も受け入れを渋っている事は聞いています。
『まずは、傷の様子を診ましょう』と、麻酔下でレントゲン・怪我の応急処置を行いました。
骨盤骨折・左後足の大腿骨骨折と脱臼がありました。
傷もかなり深く、泥で汚染されていました。
レントゲンの前で役所の方、先生、私が今後の処置を話し合いました。
(役所) 『こんなに酷いのでは、リリースは難しいですよね。飼育し続ける訳にも行かないだろうし…可哀想だけど…』
(先生) 『骨折や脱臼自体はオペで治りますが、傷の状態がかなり悪いので、消毒等の処置をする度に麻酔を掛けなくてはいけないのがな…』(出来ればオペをしたいが…)
(Ciel) 『骨折が完治するのが早くて1ヶ月として、その間の継続治療も困難だと思います。そして、1ヶ月の間にどれ程成長するか、また1ヶ月以上掛かるかも知れない。その間、飼育管理するケージ(場所)としては、かなり厳しい。それなりの設備のある施設で無いとですが、埼玉県には野生動物保護施設は無いですからね。長期飼育になればなる程、リリースも困難になると思います。』
話し合いの結果、県庁にも了解を得て、残念ですが安楽死を選択する事になりました。
助ける事の出来なかった命。
その命を生かす為に、体重・各部位の測定などのデーターを採りました。
役所の人は『今までウチの地域での熊の生息データーは無いので、一体どうしたのだろう?』
と、首を傾げます。既に一時保護をしている仔熊を連れて来た他の地域の役所の方も同じ事を言っていました。
(Ciel) 『今まで見つからなかっただけで、実は生息していたのではないのでしょうか?例えば、餌が無くて熊が民家の近くまで降りて来た事と同時に、人間が熊の生息地域に次第に入り込んだと言う事が考えられますよね』
(役所) 『でもウチには山は無いし、居るはず無いんだけど…』
(Ciel) 『でも、実際に居た訳ですし、仔熊を連れた親熊の行動範囲が広いとは考えにくいですし…。念の為ですが、もしかすると親熊が仔熊を探して民家の近くに来る可能性もあるので、住民に注意を呼びかけて下さいね。』
(役所) 『でも、探しても親熊はいなかったです。』
(Ciel) 『仔熊が単独で行動するとは考えられないですよ。まだ、2~3年は親と一緒に生活するのですから。ですから、【親は居る】と考えて住民に呼びかけた方が良いですよ。』
すっかりホッとして、危機管理の意識が下がり、役所の仕事(義務)である住民の安全確保を忘れたのでしょうか?。
安楽死にせよ。リリースにせよ。居なくなって一安心では、救護件数を減らす事は出来ません。
私達のバックアップが必要なのです。
恐らく、今後(来年や再来年だって)同じ事は繰り返し起こると考えて良いでしょう。
役所の方には調査や今後の方針を話し合って頂きたい。
役所の方が帰り際に、一時保護中のツキノワグマ(仔熊)を見て一言。
『この仔はどうなるの?可哀想にね~』
繰り返される無責任な質問に…
『県庁に聞いて下さい』と、そっけない回答をしました。
by w-a-tracks
| 2006-11-21 00:36
| リハビリ